ヘイケガニの名前の由来は、甲羅の模様が人間の怒った表情に似ていることからきています。壇ノ浦の戦いで敗れた平氏の霊が乗り移ったという伝説があり、カニの中でも特殊な意味で有名です。高知県ではクモガニと呼ばれています。足が長く蜘蛛に似ていることがその理由です。
ヘイケガニはその身も少なく、見た目が人の顔に似て恐ろしいことから食用にはされていません。一説にはヘイケガニの甲羅の模様は人為選択によって選択圧が作用したことが成因ではないかという学説があります。たまたま顔に似た甲羅であったために人が食べることを敬遠し、生き延びることができたため、ますます人の顔に似てきたのではないかということです。とはいえ、甲羅がすでに人間の顔に似た化石が見つかっていて、この説は否定されています。
ちなみに静岡県の舞阪ではタカアシガニのことを「ヘイケ」や「ヘイケガニ」と呼ぶそうです。もちろんこちらのヘイケガニは食用ですので間違えないようにしましょう。
体長
甲幅・甲長ともに20㎜ほど
分布・生息
北海道の南、相模湾から紀伊半島など日本近海の浅い海や東アジアの沿岸水域に分布している。
生態
10m~30mの浅い水深の砂泥底に生息する。貝殻が多い場所に生息し、二枚貝や海綿などを背負い身を隠す習性がある。泳ぎ方が独特で、腹を上に向けるいわば背泳ぎの姿勢となり、長い足を使って泳ぐ。産卵期は夏から秋で雌の抱卵した姿が見られる。
人気の食用カニ
ズワイガニ 松葉ガニ 越前ガニ タラバガニ 花咲がに 毛がに
海水(※現在は「ヘイケガニ」のページです。)
アブラガニ ワタリガニ タカアシガニ イシガニ イバラガニ
アサヒガニ 栗蟹(くりがに)